朝まで営業しているスーパー銭湯の仮眠エリアに慣れてしまえば、ホテルを予約していなくても終電を逃しても全く怖くない。なんなら気ままに旅気分だって味わえる。

この日、夜遅くに訪れたのは新橋駅から歩いてすぐの男性専用サウナ「オアシスサウナ アスティル」。営業時間は昼12時から翌朝10時まで。名前のとおり、新橋サラリーマンのオアシスだったので詳しく紹介したい。

・新橋駅烏森口から1分

新橋駅烏森口を出て直進すると、1分もかからない場所に総合アミューズメントビル「アスティル新橋」が見えてくるだろう。駅周辺は酔っ払ったサラリーマンたちで賑やかである。

コンビニの前では若い男性が頭にネクタイを巻いて腹を出したまま寝ていた。やってることは田舎のヤンキーと変わらない。いや、ヤンキー以下だろう。そんな景色を眺めながら、ビル3階の「オアシスサウナ アスティル」の受付へ。


・フリータイム

先に述べたように同施設は男性専用。料金はスピードコース(60分)の1980円から。今回は朝10時まで利用できる「フリータイムコース(平日・土曜4980円)」で入館。


ちなみに全席指定の「デラックスシート(平日・土曜1380円)」では、専用館内着でゆっくりくつろげるらしい。


よくあるモニター付きのリクライニングシートだが、すでに結構埋まっている様子……もしかしたら先にいい席を予約した方がいいかもしれない。


ってことで、壁際の58番シートを確保。耳栓、アイマスク、ボディケアの割引券を受け取り、いざ館内へ。



・フリースペース

んでどうやら、まず3階のロッカーで館内着に着替えてから、レストラン(3階)や大浴場(4階)を利用する流れのようだ。飲食などの会計はリストバンドキーで行う仕組み。

ロッカーには館内着(DXシート利用者専用)とバスタオルが入っていて、その他アメニティ類(歯ブラシ・髭剃り・ハンドタオル等)は浴室にあるそうだ。つまり手ぶらでOK、仕事帰りに食事も兼ねてオアシスへ……というパターンもきっと多いだろう。


3階にもリクライニングチェアやマットがある。先に言うと、深夜1時過ぎの段階で利用者ゼロだったが、翌朝8時には約半数の席・マットが埋まっていた

平日だから空いているのかと思いきや、深夜まで働くサラリーマンの寝床として人気らしい。やはりここは日本が世界に誇る勤勉なサラリーマンのオアシス。聖地らしい光景を拝むことができるだろう。


・4階の大浴場へ


それでは大浴場へ。湯船は2種類。中央の柱を囲うように大きなジャグジー風呂があるが、今回は奥のミルキーバスで疲れを癒した。ミクロの泡で毛穴の汚れが取れて肌がツルツルになるらしい。


てか、サウナ室がかなり良い。広くて香りが良いうえにさすが新橋、利用者の民度が非常に高いのだ。黙浴徹底って感じ。

ドライサウナは中温(約85度)でもしっかり暑くて汗が出るし、約15分に1度の光のパフォーマンスがヤバい。自動ロウリュ装置によるウォーターセレモニーが意外と長くて最後まで眺めていたら死にかけた。

テルマリウム(低音スチームサウナ)も本格的で良かったし、水風呂もシンプルで気持ちいい。60分のスピードコースでも十分疲れが取れるだろう。ハンドタオルも使い放題で快適。外は地獄だったが、館内はガチでオアシスだった。



・デラックスシートへ


さて、浴室エリアの隣にあるのが有料のデラックスシートである。



壁側の席を確保しているものの、やはり前もって選ぶのではなく、状況(いびきなど)を見ながら、静かな席を確保するのが良いと思う。まあ、もし眠れなかったら3階の自由席に移動すればいいか。



ブランケットを1枚かりてシートへ。男性専用、いや、新橋のサラリーマン専用と言っても過言ではない。マジで全員爆睡していた。私も耳栓・アイマスクのフル装備で夢の中へ……すぐ眠れたようだ。


・豚汁

翌朝、7時過ぎに米軍御用達の耳栓を貫通するレベルの大きないびき声で飛び起きた。顔を上げると隣の席でサラリーマンが爆睡していた。夜遅くまで本当にご苦労様です。


朝風呂でゆっくり目を覚ましてから3階のレストランへ。朝食営業はしていなかったが、無料サービスの豚汁を食べて出発することにした。具沢山でウマい。漬物もあったので、もしかしたら数量限定のおにぎりとかあったのかも。


・いざという時に

まとめると、男性専用施設でやや値が張るものの「新橋駅前という立地の良さ」と「施設の充実度(とくにサウナが良かった)」など総合力はかなり高い。

安く泊まるというよりは、仕事が遅くなったり終電を逃した時の “駆け込み寺的オアシス” として覚えておくと良いだろう。いい施設でした。それではまた!


・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 オアシスサウナ アスティル
住所 東京都港区新橋3丁目12番3号
時間 12:00〜翌10:00

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.